前回(7/16)、前々回(6/24)と築古中古マンションの購入時に気を付けた方が良いポイントとしてブログを書いています。リノベーションでは、設備・仕上げの変更や構造ではない間仕切りを壊して間取りを替える事は出来ますが、こちら側の都合で勝手にいじれない部分や表面的に判断できない部分がいくつかあり、それがこれまでに話した「共用部」「構造(壁・床スラブ)」などの部分です。特に前回お話しした床の遮音の問題については古いマンションをリノベーションする際に、フローリングという選択が増えている中で非常に重要な部分ですので早い段階での判断が必要な項目です。

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 そして今回もう一つ早い段階で見ておきたいポイントとして「設備の配管」についてお話しします。マンションには、専有部と共有部があり、共用部は自分で勝手にいじる事が出来ませんが、専有部は規約の範囲内であればある程度自由に更新が行える部分です。設備配管についてはマンションの部屋の中で専有部と共有部が微妙に入り交じっているのですが、一つは一番上の階から下の階まで汚水を繋ぐ配管でこの排水の本管はPS(パイプスペース)という場所にあり、このスペースの配管に関しては共用部扱いになるため、勝手に変更が出来ません。もう一つ排水の本管まで宅内で横引きされている配管があり、こちらは専有部の配管になるため、位置を動かしたり配管の材料を新しい物に交換するなど、内装工事の中で行えます。本管についてはマンション側の長期修繕計画の中で更新の計画がされているはずですので長期修繕計画の中に排水等の本管の計画があるかも確認してみて下さい。

 注意が必要なのは宅内を通っている給排水の配管です。特に築30年以上の古いマンションでは給排水の管が鉄の管で配管されている場合殆どで、鉄の管であるため徐々に錆び等により漏水の危険性があります。約20年~30年でこれらの管は交換しますが、錆などの問題から最近では配管に樹脂性のものが使われる事が一般的です。単にユニットバスやシステムキッチンのみの交換であってもこれら見えない部分の配管を交換する工事も発生する可能性がありますので築年数の古いマンションの場合は設備工事に少し費用が掛かる事を頭に入れて置くことも重要です。配管の経路によっては床のあちこちに穴を開けなければならない事もあります。

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「スラブ上配管の場合」

 今お話したケースは宅内の給排水の管が床の仕上げとスラブの間にあるケースの場合ですが、もっと注意が必要なケースがあります。それは、お風呂等の排水管が自分の宅内で横引きされておらず、スラブを貫通して下の階の天井裏を通って排水の本管に繋がっているケースです。この場合はスラブ下の配管が共用部扱いになる可能性が高く、宅内の工事だけでは更新が出来ないため、配管を新しいものに替える場合は、管理組合の許可と下の階のお宅の協力も得て下の階から配管の交換工事をしなくてはならなくなります。出来なくはないですが、下の方にも迷惑をかけることから現実的にはなかなか難しい状況です。別の方法として下の階を通っている鉄の管は使わず、床を上げる事で自分の宅内で配管を新規に引くことも可能ですが、床を上げる分天井が低くなり、標準的なユニットバスでは対応出来ない可能性が高いです。この場合、特注でユニットバスや浴室を作る事になるため、いずれにせよ費用的にはデメリットが大きいです。事前にこのリスクを知っていることで、マンションの購入金額とのバランスを検討する事が出来ますし、またはこれらの要因を元に値引き交渉も可能かもしれません。マンションによっては宅内の配管の更新に助成金を出してくれるマンションもありますので、こちらの確認もしてみるとよいと思います。

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「スラブ下配管の場合」

 この配管の経路については見学の際に表面だけ見ていても確認が難しい部位の一つですが、ある部分から確認する事が出来ます。それは、お風呂の天井、又は洗面所の天井にある「点検口」です。希に点検口がないお風呂や洗面もありますが、ユニットバスであれば殆ど付いていると思いますので、そこから天井裏を覗く、又はカメラを使って天井裏の写真を撮って見ることをお勧めします。天井裏を通っている配管には何種類かあり、まずお風呂の換気扇のダクト、照明器具や換気扇の為の電気の線などが通っています。それ以外に直径10cm位の鉄の管が上の階のスラブから下に通って来ている場合は、注意が必要です。この上の階から来ている鉄の管は、上のお宅のお風呂の排水管の可能性が高いので、不動産屋さんなどに配管の経路を確認していただいた方が良いかもしれません。
また、私たちの方でもご購入前の中古マンションのご相談に応じておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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「ユニットバス内の天井にある点検口」

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「天井裏の様子1」

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「天井裏の様子2」