先日、新潟県にあるカトリック新発田教会の聖堂を見学する機会がありました。1965年にアントニン・レーモンドによって設計された建築で、家具類をノミエ夫人がデザインしています。

20130909-IMG_2532.jpg
信徒席が祭壇を取り囲むという聖堂の理にかなった空間構成がとても清く、煉瓦と丸太でつくられた野性的な素材感も見ていて飽きることがなく、大変魅力的でした。内部空間も屋根形状も独特です。

20130909-IMG_2538.jpg
この聖堂は第5回JIA25年賞を受賞しており、その主旨は、「25年以上に亘って「長く地域の環境に貢献し、風雪に耐えて美しく維持され、社会に対して建築の意義を語りかけてきた建築物」を表彰し、あわせて「その建築物を美しく育て上げることに寄与した人々(建築家、施工者、建築主また維持管理に携わった者)」を顕彰することにより、多様化する価値基準の中で、建築が果たす役割をあらためて確認するとともに、次世代につながる建築物のあり方を提示することを目的とします。」という素晴らしいものです。

20130909-IMG_2535.jpg
ガラスに張られた和紙のステンドグラスが独特でした。当たり前のように紙は劣化するものですが、それを何年か毎に張り替えるという手間を現在も続けいらっしゃるそうです。この幾何学模様を切り抜くための型枠がいまでも保存されているというお話しでした。

20130909-IMG_2545.jpg
並べられている椅子では、長期間の使用で劣化してしまった座面の張り替え作業を信者のみなさんが自らやられたとのことでした。素人の手作業によって、わずかに乱れた張り具合がとても穏やかな表情をつくっており、とても美しい佇まいです。

20130909-IMG_2536.jpg
メンテナンスフリーを目指すことが一般的な世の中ですが、手間をかけてモノを生きながらえさせる良さを改めて実感しました。聖堂のように、使う人々から愛される建築空間を、ファロではこれからも生み出していきたいと思います。