壁は塗装で仕上げたい?

みなさんがお住まいの部屋の壁はどんな仕上げになっていますか?おそらくほとんどのお宅が壁紙で仕上げられていることでしょう。壁紙はクロスとも呼ばれていて、施工が容易で安価なため採用されることの多い建材ですが、私たちの設計では違います。壁紙よりも塗料を塗って仕上げることの方が多いのです。なぜだと思われますか?

素材はどんなものでも経年変化をしていきます。壁紙は、新築時が一番綺麗な状態で時間が経てば汚れ、剥がれも出てきます。そしてある時期がやってきて張り替えなければならなくなります。張り替えれば、それまでの経年変化を無かったことにして綺麗な状態にリセットできます。新築時とそっくりに。でも、、、私たちはこのリセットされてしまうことに違和感を感じてしまうのです。それまで積み重ねてきた時間を簡単に失ってしまうよう気がしていやなのです。

その点、壁に塗料を塗って仕上げる場合は違います。塗り替えの際には下地を残したまま塗料を重ねるので、綺麗に生まれ変わると同時に経年変化した過去の素材感も一緒に残すことができます。重ねれば重ねるほど時間も積み重なって行くことになり、物質としての在り方が素直だなあと感じます。堆積物がつくる地層のような状態でしょうか。経済効率を優先する壁紙ではつくることの出来ない奥行きのある質感を育てていくことができると考えています。

20130426-IMG_1713.jpg
上の写真は、私たちの事務所にあるコンクリートでつくられた複雑なかたちの柱と梁です。複雑なかたちを壁紙で仕上げるのは難しいので塗装仕上げです。

20130426-IMG_1711.jpg
上の写真では、コンクリートとモルタルのワイルドな質感を残しました。他の仕上げ方として壁紙も塗装もしないで下地のまま残すという方法もあります。壁紙ですと貼り分けることが難しいのですが、塗装であれば容易です。

20130426-IMG_1696.jpg
またリノベーションでは、古い壁紙をはがしてから塗装する場合がありますが、下地の処理に大変手間が掛かることになります。一度壁紙を張ってしまうとその上に塗装を重ねることが難しいです。上の写真のように古くなった壁紙は剥がす他ないでしょう。(ここまで劣化すると廃墟マニアにはたまらないかも?)

そんなわけで、壁は塗装で仕上げることが多いです。